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アルテピアッツァ美唄

自分の思っていることを素直に伝えることはとても難しい。感情と言葉がちぐはぐになりがちだ。
7月はじめ、安田侃さんというイタリアをベースに世界的に活躍している彫刻家のお話を伺う機会に恵まれた。技術や心で作品を表現する力もさることながら、安田さんがアーティストとして作品を創作しながら生きて闘ってきた歴史、人生そのものが伝わってくる語りであった。

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場所は、「アルテピアッアァ美唄」。かつて炭鉱街として栄えた美唄にある「奇跡の空間」である。安田さんと彼の仲間たちが、18年もの歳月をかけてすこしずつ手を入れ、廃校を見事な芸術空間に甦らせた場である。安田さんの作品約40点が、エゾリスが遊ぶ美しい自然の中に点在し、幼稚園、カフェ、レクチャー・ルームもある。安田さんによれば、この幼稚園は日本一とのこと。確かにそれも当然。なにせ、こどもたちは豊かな自然と安田さんの作品の中で水遊びやサッカーしながら育つのだから。

しかし、この「奇跡の空間」も他の文化施設同様、財政難にあえいでいる。美唄市から指定管理者として受託されているNPO法人が運営しているが、夕張市同様、かつての炭鉱町であった美唄市の財政も決して豊かではない。安田さんは、「アルテピアッアァ美唄」には、ここを愛する人やスタッフ、豊かな自然と時間、なんでもあるけれど、無いのは「金」だ、と声を絞り出すようにして言い切った。入場料は絶対取らない。回りの空間との垣根は作らないとも。その方針を貫くのは決してたやすいことではない。

「アルテピアッアァ美唄」が生まれた同じ頃、バブル景気に浮かれていた日本では、お金に任せてつくった施設が全国各地に建設されていた。「ハコモノ行政」と揶揄された施設には心と時間は投入されなかった。結果、いまや自治体のお荷物と化している。

他方、その当時から、この空間を生み出す努力を重ねてきた方々がいたことに、日本もまだ捨てたものではないと感動を覚えた。

時間と愛情と手間をかけるだけかけられて生み出されてきたこのような「奇跡の空間」をもっと多くの人々と協力して支えていく必要があるのではないかと思う。この努力と存在を例外に終わらせないために。(KS)

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